2013/06/22

配信をやめた話-僕の小規模な嘆きその8

・配信をやめた話
自分はかれこれ1年半前くらいからアメーバピグを客寄せに使って音声配信をしていた。
一時期夜な夜な配信し続けたこともあって知名度もそこそこあり、
コミュニティに多くのメンバーが所属する配信番組に成長していた。
その配信を先日ついにやめることにした。

急にやめようと思ったわけではなく、やめる理由はいろいろある。
最近はアメーバピグ上でも配信をする人は多くなり、競合相手にリスナーは取られっぱなしだった。
(ヴィジュアル面で派手なアバターとサブカル知識・ネットスラングを使いこなす多数の競合相手と同化出来なかった)
そして、最近はゲストをSkypeで呼んで大人数で配信するスタイルが主流になったのに
Skypeで頻繁に話すほどの友人をピグ上で作れずに1人配信スタイルを貫いていたので
時流に乗ることが出来なかった。
宣伝をやっているのに人が来ないというのは配信のやる気を大きく削ぐものである。

ここまで外部要因を書いてきたけど、内部要因に目をむけると
その一つは本人が配信に意欲を示さなくなったということである。
自分は少人数の人間とリアルに顔を向かい合わせて話すのが性に合っているというか、
そのほうが自分の気持ちや意見を伝えられる。
仮想の、不特定多数の人が訪れる世界では最後まで本音を語ることは出来なかった。
(仮想世界にしか存在しないアバターの見た目でしかその人の人間性を推し量れないことは自分にとって相手に心を開こうとするうえで大きな障害になっていたと思う)

もう一つ原因があるとすると、「数字」に目が眩んでしまったことだと思う。
「何人聞いているか」、「(アメーバピグの)イベントでどのくらいの人気か」
「コミュニティは何人メンバーを獲得したか」といったことが数字の中身になる。
本来は話す内容を洗練させようとすることに重きを置いて努力するところだが、
数字を上げることに執心してしまい、
無理に作り上げた数字を見ながらいっちょまえのDJ気取りに酔いしれていたところが
あったと感じている。
「数字」ばかり追い続けた配信の質は当然低く、
最近(といってもしばらく放送していないので1ヶ月くらい前の放送は)配信している本人も違和感だらけの放送をするにまでいたってしまった。

さらに原因を考えると、
もともと内輪で盛り上がることに嫌悪感を抱いていたことにも行き着くと思う。
配信を行なっていく中で他の人の配信を聞きにいくことが度々あったけど
どうしても素人配信は内輪で盛り上がる配信に行き着いてしまう。
内輪で盛り上がる配信を聴き続けているうちに、こんな放送を聞かせている(自分も含めた)素人の配信自体に嫌気を差してきたし、
こんな自己満放送をするような連中と同類になるまいと思うようになり
配信をするにあたっていろいろ考えたつもりだった。
しかし、放送は自分の思う方向に盛り上がらなかった。
内輪放送にならないようにと考えるあまり、末期には捨て身の配信に終始し、
自分のしたい放送はできていなかったと感じる。

ネット回線に不具合があったためタイムラグが発生していたという技術的な問題、
リスナーのチャットに対して面白いことを言えなかった、
チャットに顔文字を使うことに抵抗があった、
音楽・サブカル物の知識に疎かったのでそれからトークテーマを広げることができなかった
突拍子に別の話題に飛び込めなかった
など他に原因はあったと思うが、あまりに原因を追求してもしょうがないので原因の考察はここで終わりにしようと思う。

そんなことを考えて告知をしたところ、さっそくそれに反応した人がいた。
その人に言い足りないことがあったので、連絡をしようとプロフィールを開くと既に自分のラジオコミュニティは退会していた。
放送を今後知ったらさっさとコミュニティを抜けられてしまう、その程度の配信だったのである。
その程度の配信だったからこそ、意地になって続けることもなかったのかもしれない。
その人の退会を知ったという事実から、そう考えた。

ただ、この1年半の配信を通じてリスナー同士の交流が生まれ、
その人達同士でSkypeをするようになったとか、自分も配信をやって仲間ができました
とか聞くと、うれしくなる。
また、配信者として知名度が上がったことで様々な人との交流も生まれ、
この先も聞いてみたいなと思う配信を見つけられたことは自分にとって収穫だと思う。

それだけが自分が1年半夜な夜なやってきた活動の爪あとで、
配信者としてのささやかな誇りである。

今後しばらくは(配信を続けてきたので)配信という言葉に気になって色々ピグ上のラジオをうろついたり
コミュニティで知り合った人のイベントを訪問したり
することもあるかもしれない。
しかし、アメーバピグの活動の多くを占めていた音声配信をやめると発表したことで
今後は昔ほど鼻息あらくやることはもうなくなるだろう、と思っている。


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