ずっと書こうと思ってきたけどなぜか書いてこなかった。
今ここに記録しておこうと思う。
僕は冷え飯が嫌いだ。
炊きたてのご飯が一番好きで、それが冷えて固まってしまうと食べる気を失ってしまう。
嫌いな理由は冷めると糊化して固まって食べにくいという理由もあるが、冷え飯を見るとあまり思い出したくない記憶も蘇ってくるからだ。
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小学6年の夏休みはあまりいいことがなかった。
自分の両親は離婚寸前で、はっきりと子どもの前で説明はしていなかったが子どもながらに家庭内の雰囲気が険悪なのはわかっていた。
加えて同居していた祖父が認知症の初期症状を患うようになっていた。
このころ彼らはお互いに何か連絡する際、子供のほうが連絡がつくからと自分に電話をさせたこともあった。
見知らぬ相手に電話するというのがこの頃から苦痛だった自分にとっては、そうさせる環境と電話をかける行為に対して感じる惨めさと苦痛さを感じていた。
そんな夏休みのある日、父方の大叔母(祖父の妹)がやってきた。
今でもそうだが大叔母は苦手だ。
家には祖父と大叔母と自分も含めて3人の兄弟だけ。両親は仕事で不在だった。
外はどんよりとした曇り空。そんな日の昼ごはん。人生でもう二度と食べたくないと思った食事だった。
確かご飯とおかずだけの食事だったと思う。
おかずが何だったか覚えていない。ただ茶碗にのったご飯が強烈に残っている。
それはおそらく前日に炊いたもので食べきれなかったから皿に移しておいたご飯だったと思う。
もちろん冷め切って固くなっている。
祖父と大叔母はそれを食べろという。
なぜか兄弟にはそれを食べないという拒否権はなかった。
黙って食事を摂った。
この話には特にオチはない。
ただどんよりとした曇り空の日の昼ごはんに前日の残りの冷め切ったご飯が出て
それを食べさせられた、それだけの話だ。
だがこの記憶を呼び起こす度に当時のもろもろの陰惨な、これからどうなるんだろうという不安とか
色々出てきて、結局冷え飯を今も避けてしまうのだ。
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