それをまとめたのが下の表である。
平成26年度特殊切手発行一覧 | |||||
名称 | 発行日 | 枚数(万枚) | 印刷会社 | 備考 | |
1 | 宝塚歌劇公演100周年 | 26.4.1 | 1300 | 凸版 | 300枚追加発行 |
2 | OECD加盟50周年 | 26.4.2 | 600 | カルトール | |
3 | おもてなしの花シリーズ第一集(82円) | 26.4.3 | 5000 | カルトール | |
4 | おもてなしの花シリーズ第一集(52円) | 26.4.3 | 5000 | カルトール | |
5 | 切手趣味週間 | 26.4.18 | 1300 | 国立 | |
6 | 日本の山岳シリーズ第四集 | 26.5.1 | 1200 | カルトール | |
7 | FIFAワールドカップブラジル2014 | 26.5.12 | 1170 | カルトール | |
8 | 自然との共生シリーズ第四集 | 26.5.15 | 800 | エンスヘーデ | |
9 | ディズニーキャラクター(82円) | 26.5.23 | 2500 | 凸版 | シール |
10 | ディズニーキャラクター(52円) | 26.5.23 | 4000 | 凸版 | シール 1000枚追加発行 |
11 | 海外の世界遺産シリーズ第四集 | 26.6.3 | 1200 | 凸版 | |
12 | 野菜とくだものシリーズ第二集(52円) | 26.6.4 | 1000 | 凸版 | シール |
13 | 野菜とくだものシリーズ第二集(82円) | 26.6.4 | 2000 | 凸版 | シール |
14 | 夏のグリーティング(52円) | 26.6.23 | 2500 | 凸版 | シール |
15 | 夏のグリーティング(82円) | 26.6.23 | 2500 | 凸版 | シール |
16 | 世界遺産シリーズ第七集 | 26.6.26 | 1100 | 国立 | |
17 | 星の物語シリーズ第一集 | 26.7.7 | 2000 | 凸版 | シール |
18 | 日本の城シリーズ第二集 | 26.7.15 | 1200 | カルトール | |
19 | ふみの日にちなむ郵便切手(52円) | 26.7.23 | 3000 | カルトール | シール |
20 | ふみの日にちなむ郵便切手(82円) | 26.7.23 | 3000 | カルトール | シール |
21 | 浮世絵シリーズ第三集 | 26.8.1 | 1200 | エンスヘーデ | |
22 | 日本の山岳シリーズ第五集 | 26.8.11 | 1200 | カルトール | 山の日2年前 |
23 | スヌーピーとピーナッツのなかまたち(52円) | 26.8.19 | 2500 | 凸版 | シール |
24 | スヌーピーとピーナッツのなかまたち(82円) | 26.8.19 | 3000 | 凸版 | シール |
25 | 土木学会創立100周年 | 26.9.1 | 1000 | 凸版 | |
26 | 季節のおもいでシリーズ第三集 | 26.9.2 | 1200 | 国立 | |
27 | 秋のグリーティング(52円) | 26.9.5 | 2500 | 凸版 | シール |
28 | 秋のグリーティング(82円) | 26.9.5 | 3000 | 凸版 | シール |
29 | 子ども虐待防止世界会議名古屋2014 | 26.9.12 | 500 | 凸版 | |
30 | ほっとする動物シリーズ第二集(52円) | 26.9.19 | 1000 | 凸版 | シール |
31 | ほっとする動物シリーズ第二集(82円) | 26.9.19 | 2000 | 凸版 | シール |
32 | 新幹線鉄道開業50周年 | 26.10.1 | 1200 | カルトール | |
33 | 鉄道シリーズ第二集 | 26.10.10 | 1200 | 国立 | |
34 | 正倉院の宝物シリーズ第一集 | 26.10.17 | 1200 | 国立 | |
35 | ハッピーグリーティング | 26.10.23 | 1000 | 凸版 | |
36 | 伝統工芸品シリーズ第三集 | 26.10.24 | 800 | カルトール | |
37 | 干支文字切手 | 26.10.30 | 1100 | カルトール | |
38 | 平成27年用年賀郵便切手(寄付金・くじなし52円) | 26.10.30 | 2300 | 国立 | |
39 | 平成27年用年賀郵便切手(寄付金・くじなし82円) | 26.10.30 | 380 | 国立 | |
40 | 平成27年用年賀郵便切手(寄付金・くじ付き52円) | 26.10.30 | 1500 | 国立 | |
41 | 平成27年用年賀郵便切手(寄付金・くじ付き82円) | 26.10.30 | 185 | 国立 | |
42 | 平成27年用年賀郵便切手(海外年賀切手差額用18円) | 26.10.30 | 300 | エンスヘーデ | |
43 | 古典の日制定 | 26.10.31 | 1200 | 凸版 | |
44 | おもてなしの花シリーズ第二集(52円) | 26.11.6 | 3000 | カルトール | |
45 | おもてなしの花シリーズ第二集(82円) | 26.11.6 | 3000 | カルトール | |
46 | 冬のグリーティング(52円) | 26.11.7 | 2000 | 凸版 | シール |
47 | 冬のグリーティング(82円) | 26.11.7 | 2000 | 凸版 | シール |
48 | 季節のおもいでシリーズ第四集 | 26.11.20 | 1400 | エンスヘーデ | |
49 | 日本の城シリーズ第三集 | 26.12.10 | 800 | カルトール | |
50 | ピーターラビット(52円) | 27.1.9 | 3000 | 凸版 | シール |
51 | ピーターラビット(82円) | 27.1.9 | 3000 | 凸版 | シール |
52 | 春のグリーティング(52円) | 27.1.16 | 1100 | カルトール | シール |
53 | 春のグリーティング(82円) | 27.1.16 | 1400 | カルトール | シール |
54 | ほっとする動物シリーズ第三集(52円) | 27.1.23 | 1000 | 凸版 | シール |
55 | ほっとする動物シリーズ第三集(82円) | 27.1.23 | 1800 | 凸版 | シール |
56 | 野菜とくだものシリーズ第三集(52円) | 27.2.23 | 1000 | 凸版 | シール |
57 | 野菜とくだものシリーズ第三集(82円) | 27.2.23 | 2000 | 凸版 | シール |
58 | 北陸新幹線(長野・金沢間)開業 | 27.3.13 | 1000 | 凸版 | |
59 | 第三回国連防災世界会議 | 27.3.13 | 800 | 国立 | |
60 | 海外の世界遺産シリーズ第四集 | 27.3.26 | 1000 | 凸版 | |
10億3135万枚 | |||||
平成26年度ふるさと切手発行一覧 | |||||
1 | 地方自治法施行60周年シリーズ愛媛県 | 26.4.7 | 500 | 国立 | |
2 | 地方自治法施行60周年シリーズ山形県 | 26.5.14 | 500 | 国立 | |
3 | 国土緑化 | 26.5.30 | 1100 | カルトール | |
4 | 地方自治法施行60周年シリーズ三重県 | 26.6.19 | 500 | 国立 | |
5 | 地方自治法施行60周年シリーズ香川県 | 26.9.10 | 500 | 国立 | |
6 | 第69回国民体育大会 | 26.9.12 | 500 | カルトール | |
7 | 地方自治法施行60周年シリーズ埼玉県 | 26.10.8 | 500 | 国立 | |
8 | 地方自治法施行60周年シリーズ石川県 | 26.11.26 | 500 | 国立 | |
4600万枚 | |||||
印刷会社について 国立→国立印刷局 凸版→凸版印刷株式会社 カルトール→cartor security printing(フランス) エンスヘーデ→joh enschede stamps(オランダ)
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こうしてみると色々面白い事実が見えてくる。
素人分析になるが見て行きたい。
・切手の発行日
この表をまとめて感じたのはなんと日本郵便はたくさんの記念切手を発行しているか!ということだった。
新しい記念切手が発売されたかと思ったら次の日にまた新しい記念切手が発売されている。
もし昭和の切手趣味少年のように、切手の発売初日の度に朝イチで郵便局の前に並んでいたら
遅刻だらけになってしまうだろう。
(こんなことまでして切手を買い求めようという切手少年はもう絶滅したと思うが。)
面白いなと思ったのが26年8月11日に発行された「日本の山岳シリーズ第五集」。
実はこの8月11日、来年の2016年から「山の日」として国民の祝日となる日なのだ。
地味に山の日2年前カウントダウンを山の記念切手の発売でやっていたわけだ。
果たして今年(2015年)は8月11日に山の記念切手の発売が来るだろうか?
・切手の発行枚数
表を見ると日本郵便の発行枚数の目安が見えてくる。
シリーズ物として出す最初の切手orまあまあ売れるだろうなと見込んだ切手→1000万~1300万枚
挨拶状等実用的な場面でも使えそうな切手→どーんと2000万枚以上
キャラクターもの→2000万~3000万枚
切手の題材としても地味だしこれ明らかに売れないよねと見込んだ切手→1000万枚以下
という感じだ。
こうしてみると日本郵便が力を入れて売り込む切手は販売枚数1000万枚前後を基準としており
どのくらい基準から離れているかで分かりそうだ。
今後発表される新しい切手の発行枚数に注目したい。
・切手の印刷会社
平成26年度は国立印刷局、カルトール(Cartor Security Printing)、凸版印刷、エンスヘーデ(Joh Enschede Stamps)の4者によって印刷されたことがわかる。
この内エンスヘーデは平成26年度から印刷を開始した新規参入組だ。
日本だけでなく外国の印刷会社にも切手の印刷を発注しているのは、質も維持できながらコストダウンにもつながるからだろう。
カルトールはフランスの印刷会社。170以上の国・地域の切手の印刷を請け負う他、公的な証明書の印刷も請け負っているようだ。「偽造されたらいけない」類のものの印刷ではかなり実績を積んでいるようだ。
カルトールが日本切手の印刷に参入したのは2005年。以来コンスタントに切手の印刷を請け負っている。よっぽど頼られているんだろう。それは上の表でもよく分かる。
エンスヘーデはオランダの印刷会社。ウェブサイトによると切手の印刷をはじめたのは1866年。
以来70以上の国や地域で切手の印刷を請け負った実績があるという。
表を見てもわかると思うが海外の印刷会社が多くの記念切手の印刷を請け負っている。
技術力の高い日本の印刷会社に印刷させず海外に外注するとは何事か!という意見もあるようだが、
カルトールもエンスヘーデも切手や紙幣の印刷の世界では大手であり、歴史も実績も国立印刷局に負けていない。
日用雑貨を中国の工場で作らせるのとは訳が違うのだ。
ところで日本もそれなりに技術があるから外国の切手の印刷を請け負っているんじゃないかと思うかもしれない。
残念ながら現在は行われていない。
ただ、1955年から2001年までアジアを中心に1000種以上の切手を発行し続けてきた。
このことは以下に詳しい。
「お札と切手の博物館 平成25年度 特別展 切手と事件と舞台裏 ~こうしてぼくらは生まれた~ 展示解説書」
・シール式の切手が増えた件について
切り離して売れないシール式の切手が26年度に入って多く発売されるようになった気がする。
そのためシール式切手のほとんどを請け負う凸版印刷の受注が多くなった。
27年度もこの傾向は続くようだ。
この背景ははっきりしないが、おそらくシール式で売れば1シートあたり820円(ないし520円)が確実に入ってくるので、売りさばきやすいということに日本郵便側が気づいたということだろうか。
・日本では毎年何枚の切手が発行されているのだろうか?
タイトルに戻るが、
「記念切手でいうと平成26年度は10億7735万枚発売した」
というのが結論になる。
しかし切手というのは記念切手だけではない。
世の中には記念切手以上に普通切手というものが圧倒的に出回っている。
残念ながらこの普通切手の発売枚数を調べることはできない(情報公開請求をやればできるかもしれないがただの興味本位で開示してくれるものではないだろう)
ただ確実に言えるのは、「記念切手よりも普通切手の発売枚数は多く、その枚数はおよそ10億8000万枚よりは何倍も多く出回っている」ということだ。
かなり当てずっぽうな考えだが数百億枚レベルで毎年発売されているのではないだろうか。
ところで、日本国内で製造された切手と外国の印刷会社に印刷してもらった切手では
切り離し具合が微妙に異なるのだそうだ。(参照:切手の”ギザギザ”にまつわるエトセトラ)
ここによると外国製の切手は日本製よりも切り離しにくいという。
でも上の表のように(記念切手でいえば)相当外国勢であふれている中で切り離しやすさの違いを
見分けられる人は果たして日本にどれだけいるんだろうと思う。
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