2013/12/23

「トム・ソーヤーの探偵・探検」の感想-僕の小規模な嘆きその41

・読んだ本の話
先日、Amazonで注文し届いた「トムソーヤの探偵」「トム・ソーヤーの探検」を読んだ。
この本は実は、十数年間ずっと読み続けたいと思っていた本だ。

9歳の時、学校の図書館で読んだトムソーヤの冒険にはまった。
当時としては自分の中で高額な買い物だった2000円ちょっとのトムソーヤの冒険を
買って、何度も何度も読んでいたものだった。

自分にとってトムソーヤは、運動神経抜群で、頭の回転も回り、そして勇敢で
とてもかっこいい存在だった。
特に友達と家出をして川中の無人島でキャンプする生活の話では
自分も一緒にトムたちとキャンプしたい!と憧れて秘密基地もどきをつくろうとしたほどだった。

「トムソーヤの探偵」なる本があると知ったのは、訳者のあとがきの
マーク・トウェインの紹介の中にあったのを見たからだと思う。
トムが探偵だって?どんな事件を担当するんだ?誰が相棒になるのか?と
好奇心が尽きなかったけど、その先が難しかった。

どういうわけかこの本が本屋を探しても、図書館を探しても見つからなかったのである。
あるにはあるらしいが、トムソーヤの冒険ほど本が世に出回っていないらしい。
取り寄せるとか、そういうことを口に出せて言えなかった当時の自分はいつの間にトムソーヤの冒険を読んだこと、そしてトムソーヤの探偵を欲していたことも忘れてしまっていた。

突然このことを思い出したのは、たまたまウィキペディアを徘徊していて
マーク・トウェインの項目に行き着いた時だった。
著作一覧に「トムソーヤの探偵」というのを見つけて俄に9歳の自分がこの本を求めていたことを
思い出したのだった。
ついでに「トムソーヤの探偵」なるものもあると知り、どちらも読んでみたいと思った。

今住んでいる町の図書館には「トムソーヤの探偵」はあるそうだが、「探検」はない
(しかも借りられていた。)
Amazonで安く売っていないかと探してみると、なんと新潮文庫で2つ収録されているものが
中古の安価で売られていた。
これは今すぐ買うしかないと、さっそく購入。届いたその日に読み始めたのだった。

前置きが長くなったけど、ここからが感想である。

まず「探偵」
旅行先で出会ったダイヤを持った謎の男と、彼にからんだ殺人事件の推理を通じてトムが真犯人を暴くストーリー。
ちょっと推理が強引過ぎるのと、ハックのイエスマンっぷりはどうにかならんもんかというのが感想。
それと、サイラスおじさんのところに旅行に行ったのはトムソーヤの冒険であったよね、とか
なかった記憶が強い。
念のため検索したけど、トムソーヤの冒険・サイラスおじさんでは満足な結果は表示してくれなかった。

「探検」は気球に乗ってアフリカに行くというストーリー。
アフリカに行ったからと行って現地で冒険を繰り広げるわけではなく、気球に乗って空から
アフリカを眺める感じでストーリーが展開されていく。
だから盛り上がる場面が少なく、間にトムの長い話が入ってくるので読んでいて退屈だった。
でもこの話ははっとさせられる場面があった。

それは冒頭、トムが村一番の有名人になりたくてハックらに十字軍をやろうと提案した時のこと。
トムが2000人の騎士を集めて異教徒から聖地を奪還しようと息巻くのに対してハックらがどうして聖地を奪還しないといけないのかとあれこれ尋ねたので、トムは怒ってこの話をしなくなった。
章の最後でハックはこう言っている。

「しかし、僕はべつに失望もしなかった。もともと僕は平和が好きである。何も悪いことをしない人たちを相手に、わざわざことを起こしたくはない。先方が満足して平和に暮らしているならば、僕達も平和に暮らしていようではないか。
(中略)
僕も(トムが影響を受けた)スコットの小説は読んだが、自分の土地をすてて十字軍に参加した人たちは結局骨折り損のくたびれもうけではなかったろうか」

浮浪児だったハックにうまいこと言わせてるなぁと思う。
確かに向こうが平和に暮らしているところをわざわざ攻めていってめちゃくちゃにする権利はない。
十字軍に参加した人を「骨折り損のくたびれもうけ」と言っているのは真理だと思う。
キリスト教徒が何百年かけて自分たちのものにしようとしていたエルサレムは、結局キリスト教徒だけのものではない町になっている。
彼らが生きている間に聖地を取り戻すのは(ほとんどの時期)無駄な行為で、自分たちの大事な土地や家来だけは失い続けた。
戦争というのは確実に自分のものを全部失う危険を伴う、壮大なギャンブルかもしれない。


・ほぼ日手帳が誘惑してくる話
来年用の手帳を買って実際に使い始めてからもうすぐでひと月がたつ。
今年の手帳選びはずいぶん時間がかかった。

大きな町の、大きな本屋に出向いてあれこれ見比べ、
今までは重視してこなかったデザインや手触り、月間スケジュールの有る無し、
はては見開いた時の数字の見えやすさまで
今年は今までにない吟味を行って手帳を選んだと思う。

そうなったのはほぼ日手帳の影響が大きい。
見本を実際に開いてみると、どのページも開きやすい。
ページ下のひとことみたいなものも毎日をポジティブにさせてくれそうで面白そう。
特に、1日1ページと書くためのスペースが充実している。
しかし、カバーも買うと3000円以上するし、ページの格子になっているのもあまり気に入らない。
その後さらに色々迷った挙句、ほぼ日手帳の半額以下の手帳を買って今のところ使用している。

でも時々「やっぱりほぼ日手帳を買っていたらなぁ」と思うことがある。
自分が使っているハイタイドのイーリスという手帳は、一日の項目のところに小さな白紙スペースがあり、
そこに自分は3文くらいで今日一日の出来事を記している。
時々もっと書きたいなぁと思うことがある。
でもそのスペースでは足りない、そう思った時に1日1ページのほぼ日手帳だったらいっぱい書けるのになぁと思ってしまうのだ。

あきらめが悪い理由はもうひとつある。
実はほぼ日手帳は1月始まりで、今から買っても十分間にあう。
しかし、今買えば今まで買ってきた手帳は使わなくなるし、新たに買えばほぼ日手帳+今使っている手帳の代金=4800円を手帳に使ってしまうことになる。
手帳に5000円出せるほど、まだ金持ちではない。

イーリス自体には特に不満を感じていないから、このまま使い続けようと思う。
1月を過ぎるまではほぼ日手帳の誘惑は続くとは思うが、
あと何回この誘惑に揺れることになるだろう。


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