2019/01/24

いつもの年越しの夜だった(2096日目~2105日目)

12/22(2096日目)
今日は冬至。
この日の天気は曇っていたものの、時々日差しを感じる瞬間もあった。

午前は病院。
今度は保険証を持っていったので、前回10割負担で支払った分を払い戻してもらった。

万札が入っているといい気分になる。久しぶりに本でも買うかとショッピングモールに寄る。
だが、いざ本屋に入ると本気で金を出して本を買おうと思っていない自分に気づき何か買うのはやめた。

ヒロシの最新刊が置いてないか見てみると、2冊売られていた。
ペラペラとめくってみると、まえがきからヒロシは強気だった。自叙伝的本にあった「毒にも薬にもならない」とか「読んでも何も残らない」とか弱気なところは全くなかった。
(ビジネス書というのは弱気を見せてはいけないのだろう)

少しでも寝心地を良くするためにネックピローを買う。

帰宅後は昼寝をして、飯を作って食べて寝る。


12/23(2097日目)
最近思うのはヒロシに気持ち悪いファンがつくようになったということである。
「迷宮グルメ」が旅番組を見飽きたアラサー以上の世代に刺さり、知る人ぞ知る旅番組的扱いになった。
ヒロシのぼっち的思考にも共感し、本人の人柄の良さも相まって更に熱狂的ファンが増えるようになった。
ヒロシの主なファン層は30代以上の女性と見られる。2004年頃のヒロシにヒーヒー言って生活が落ち着いたこの頃また回帰した世代だ。
幸い、彼らの多くは自分たちのことを気持ち悪いと自覚し、迷惑な行為は控えている。

最近読んだ2冊の本の感想を書くだけで1時間半ほど使ってしまった。
本の感想を書くだけだが、1冊あたり30分以上はかかってしまう。


12/24(2098日目)
最近興味のある喫茶店がある。
そこは本があって、好きな本をコーヒーを飲みながらゆっくりできる場所。
場所もそこそこ近い。

今日そこで興味深いイベントをやっていたので、参加しようかと思っていた。
しかしどうも足が向かない。単に知らない場所に飛び込むというのが怖かったのだ。
それでも行こうか、いや行くまいか散々迷ってグズグズしているうちに、イベント開始時間を過ぎてしまった。
また機会があったら行こう、ということにした。

深夜、食事を買いに行く。
クリスマス・イブというだけあってチキンがたくさん売られていた。
時間的に半額近くにまで値下げされていたのでこれはラッキーと買い込んで食べた。


12/25(2099日目)
夕方、クマと会う。

駅ナカの喫茶店で過ごし、暗くなってからイルミネーションを見に行く。
まだ時間があるので、近くの本屋に入ってブラブラする。
本屋デートは今までやったことがなかった。
クマは活字の本が嫌いなので本屋に行くことはデートコースから常に外してきたのだ。
意外にクマは本屋デートを楽しんでいた。

クマからクリスマス&記念日プレゼントにシェーバーをもらった。
いつかの約束でもらえると聞いていたので、シェーバーを買わずずっとカミソリを使い続けてきた。
今日からカミソリではなく、シェーバーの生活になるのだ。
充電して早速使う。なんということだ!キッチリそれて剃り跡もきれいだ。バリカンもついているから、伸びかけで気持ち悪い襟足もきれいにできる。素晴らしい文明の利器だ。

クマからいろんなプレゼントを貰ってきた
壁掛け時計、体重計、IHヒーター、シェーバー…
改めてこのような実用性を考えてくれるクマに感謝しながら過ごさねばと思った。


12/26(2100日目)
11時頃、県立図書館に行き本を何冊か借りた。
その帰り、喫茶Hに意をけして入る。

喫茶Hはちょうどその時イベントを行っており、自然にその輪に加わることができた。

イベントが終わり、これからどうしようかなと思っていた所、本を読んでいた学生が「僕の本を読む?」と話しかけてきた。
名前はTくんという。彼は大学生で自分が学生のように見えたからか、気楽に話しかけてきた。心細いところだったのでこれは心強かった。

夜になると、別のイベントが始まるという、帰るのも惜しいのでその中に加わる。
大変考えさせられるものであったが、自分の中のフィルターがはたらいて発言はできなかった。
しかし、自分なりにこのイベントに参加して思ったことを成果にしようと思った。

Tくんが本を忘れてそれを預かったので、またこのカフェには行くことになった。


12/27(2101日目)
9時半から失業保険の説明会があるので参加する。
これで1カウントとなり、来月9日の認定日に行けば数日後に失業保険が貰える。

夕方、弟と会って食事をする。
父親についての知っている限りの情報を伝える。
お通しで出てきたスナップエンドウとナスの煮浸しが美味しくて、そればかり頼んでいた。
刺し身や煮物も頼む。フライ系はどちらも食べたくなかった。
母親が昔作った煮物などが美味しいと思うようになった、そういう年にお互いなったもんだと笑った。

なかなか高級そうな弁当(余計にもらったという)をもらって、帰宅後昨日から考えていたことをやることにする。
昨日参加したイベントで取り上げた事項は、全国的な署名活動が行われており、行政レベルでも協力しているという。
署名の一覧をネットで見ることができたが、リストの羅列で正直見る気が失せる。そこで地図に落とし込んで可視化すればより見やすくなるのではないかと考えた。
そのための作業に取り組んだのであった。

その作業はなかなか時間がかかった。
明け方になって1/3ほど片付けてとりあえず寝た。


12/28(2102日目)
Tくんが忘れ物を受け取るというので前々日に訪ねた喫茶Hを訪ねる。

TくんはSDGsという今トレンドの環境学の分野を卒論にして書こうとしていた。
彼はエコツーリズムに関心があり、広島県が推進しようとしているピースツーリズムとどう融合するのか考えているようだ。

深夜にわたって食事を提供してくれると言うのでそのまま居座ることになる。
自分は前日からの作業の続きを行い、人が増えてきたら食事の数々をいただきながら周囲の人の話をぼんやりと聞く。
年が明けたらまた行くことが決まった。

喫茶Hは居心地の良い場所だ。
ここには多くの人が集い、語り合い、温かい空気に満ちている。
しかし、そこに馴染めていない自分がいる。
ここに来る人は「何者」かである必要があるように感じる。
自分は何者でもない。何かに取り組んでいるわけでもなく、意見を発するわけでもなく、ただホットレモネードをすするだけのカフェの消費者だ。
せめてここで何者であろうと自分はどうにか取り繕ってみる。

朝まで開いているというからグズグズ過ごし、始発の電車で帰る。
ひとまず10時まで仮眠を取る。



12/29(2103日目)
帰省する日。
11時半に弟と待ち合わせ、お土産を買って新幹線に乗り込む。
弟はもみじ饅頭、自分はカルビーのお菓子を買う。
カルビーのお菓子は正直買いすぎたと思った。

新幹線は指定席なので混雑とは無縁だ。
おとといもらった弁当について弟がぽつり。
「高級な弁当とコンビニの弁当って変わらんよね、弁当に高級さを求めてもね…」
大いに共感した。
昨日食ったその弁当は確かに美味しかったが、味を楽しむと言うより空腹を満たすために箸を動かし続けていたからだ。

新幹線を降り、バスに乗る。
その途中で気分が悪くなり、降車。
近くの商業施設で時間を過ごしているうちに回復し、なんとか帰り着いた。

いつもは帰るとホッとするが、父親のことが気になって気分が落ち込んだままだった。


12/30(2104日目)
父親が入院している市民病院に弟、父方の小母さんと向かう。
1年ぶりに会った父親は、痩せていて弱々しくなっていた。病人だった。

どういう状況か分からなかったので主治医の先生に話を聞く。

父親は、膀胱がんになっていた。原因はおそらく、タバコの吸いすぎだ。
現在父親の腎臓のうち、左が機能不全状態になっている。かろうじて右側で老廃物の生産を行っているも、普通に排出ができず、現在一時的に腎臓から直接管で尿を排出するようにしている。
このような状況になった原因としては、膀胱に腫瘍ができてしまったからである。
腫瘍は悪性で摘出の必要がある。不幸中の幸いだが、腫瘍は今の所他の分野に転移はしていないという。
今後については、しばらくしたら一旦退院し、自宅で養生した後腫瘍を弱らせるための治療として放射線と抗がん剤を投与するための入退院を2度ほど行う。腫瘍が取り出せるほど弱ってきた後、膀胱を全摘して、人工膀胱を取り付ける。

父親は、捨て鉢のようになっていた。
もうしばらくしたらあの世に行くもんだと思っていて、どこか深刻でもなさそうな雰囲気であった。
自分はそんな父親であってほしくなかった。
親が離婚して、経済的援助があるわけでなく父親らしいことをされたわけでもない。
正直、連絡がなければどんなに楽だったかと思う。
人生の半分以上を父親なしで過ごしたから、今の自分は父親なしで出来上がっている。そしてこれからの人生にも父親の存在はいらない。
それでも、自分の中には父親の血が混じっている。何の因果かこうして関わってしまった以上、父親が捨て鉢になってこの世から消えていってしまうことはしてほしくなかった。
このまま死なせることを許せなかった。子供の嫁・旦那・孫の顔を見てから死んでほしいのだ。

今後については、父親に関係するすべての人物を巻き込んでキッチリ話そうと思った。
父親の実兄も半ば強引に鹿児島に帰ってきてもらうように頼んだ。
父親の荷物も全部掻き出して、隠し持っていたタバコも没収した。生きてほしいから鬼になった。

鬼はうつむき加減で病院を後にし、食欲もない状態だった。
お通夜みたいな雰囲気でバスに乗り込み、帰宅した。

23時頃、クマに今思っていることを話した。
縁を切るという言葉だけは言わないでねというアドバイスをもらった。


12/31(2105日目)
ほとんど1日死んだように眠っていた。

妹が帰ってきて賑やかになった。
妹はより大物感になって帰って来た。
母の座椅子に座ってふんぞり返る様は女帝のようである。

紅白を見て、ジャニーズカウントダウンを見て年越し。
「年のはじめはさだまさし」を見て就寝する。
いつもの年越しの夜だった。












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