2019/05/15

その人の気持ちがわかるような、やっぱりわからないような(2211日目~2217日目)

4/16(2211日目)
最終バスに揺られて夜の尾道にやってきた。

まず、夜の尾道はなんにもないことに驚いた。飲み屋ですら24時にならないうちに閉まる。
観光客ばかりの昼の尾道しか見ていなかったからこれは驚いた。
終電が走る線路を横に見ながら、深夜にしかやっていない本屋に入る。

本屋の中は静かで、何もかもが古さを感じる。
個人的見解だが、夜遅くまでやっている店に溜まっている女の変人率は高いと思う。

2時位にふらっとやってきたおじさんが、自分と同じ鹿児島の人で同郷トークで盛り上がる。
そのままおじさんの店に行って、焼酎をごちそうになる。普段は焼酎は絶対飲めないけど不思議にも2杯も飲めてしまった。

泊まるところがないと言ったら、ソファを貸してくれた。
ツンとしたところがある店主だが、いい人でもあった。

酒で二日酔い気味。
もう1軒行こうと思えば行けた本屋があったが、早く帰って寝たかったので次の機会とする。


4/17(2212日目)
明日二次面接があるから緊張する。
その一方で、もう実質3日の実習で決まっているからもはや形式的ではないかと思う自分もいる。

どういうわけか、年金を貰う人用のはがきが届いた。
年金をもらうような年でもないし、なんかの間違いかなと思ってそのまま捨てる。


4/18(2213日目)
二次面接があった。
社長も本社から来ていた。
少々硬くなったけど、言うべきことは言えたと思う。社長は話し好きそうな人だと思った。


4/19(2214日目)
午前中はお堀の周りを走る。

13時半頃、採用の連絡がある。
承諾。5月10日から働きだすことになった。
やめてから半年近く、毎日職探しのことばかり考えていたので、ようやくその悩みから開放できる。そう思うと嬉しかった。

街なかの本屋を訪ねる。
アートや暮らし系の本が多い。個人経営では珍しい、新刊オンリーの書店。
店主が真面目な性格のせいか、少し静かにしていないといけない。
日曜に店主の仕事について聞く公開インタビューイベントが開かれるというので申し込むことにした。
自分は店のストーリーが結構気になる人間なのだ。

自分の本屋巡りの師匠がトークするのでそれを聞きに行く。
会場について待っていようかと思っていたら、すでに資料が机の上に揃えられていて準備万端だった。
持っている、読んだことがある、知らないリトルプレスやフリーペーパーがたくさんあって大変興奮した。
トークの補助的な仕事もできたので、弟子らしい仕事ができたかなと思う。
あちこちで勝手に「弟子」と自称していたが、弟子としてがんばってほしいと言われたのが、今日で一番うれしい出来事だ。


4/20(2215日目)
喉が乾いたが近くに自販機がない。そのかわり個人商店があったからそこで買う。
そこがありえないほど魚臭くて、しかも水の値段が自販機よりも高かった。
この店は何を売って商売を続けているんだろうと不思議になる。

フリーペーパー配布のイベントへ。
会場が古民家で、蔵の中から引っ張り出したという古い教科書を読む。
戦前の女学生の英語の教科書は英語だけだと知り、なんだか新鮮に感じる。

ぎゃあぎゃあ騒ぐ場は嫌だ。
自分なりに我慢してみたが、やっぱりダメだ。


4/21(2216日目)
この日、大型書店にリトルプレスが常設販売されているのを確認。
広島でもリトルプレスが買える場所が増えたんだという喜びの気持ちと同時に、大型店でもリトルプレスを扱うようになったことで個人経営の小さな書店のいいところが取られたような複雑な気持ちになっている。

書店主のトークイベントを聞きに行く。
東京からやってきたインタビュアーは眼光鋭く、冷たい印象。
女性が多かったのでやたらとうなづくのが目についた。
穏やかそうな書店主だったが、店を始めた理由が怒りからというのはすごく意外だった。


4/22(2217日目)
自分なりのリトルプレスの選ぶ基準。

・図鑑系であること、体験談でないこと
好奇心が満たされるし、一つの項目の記述の中身の深さで、探究心の深さとこの本の質を測れる。体験談は主観が強く入っている読み物であってわざわざ買ってまで読もうとは思わない(似たような話はネット上でタダで読める)。
・二次元のキャラが使われてないこと
二次元のキャラがあまり好きでないし、二次元キャラによって難し目の話が濁されてしまう可能性を懸念しているため。
・できればオールカラーできちんと製本されていること
見た目大事。リトルプレスは決して安い買い物ではない。金を出す以上ある程度の体裁は大事だ。

リトルプレスフェアが近くの大型書店であったとき、手当たり次第に買い求めた人がいたとかいなかったとか。
その人の気持ちがわかるような、やっぱりわからないような。

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