・多良間村ヤシガニ(マクガン)保護条例の話
法律というのは難しい。
法律というのは難しい。
大学時代法学部に通っていた知り合いが、法学入門とかいう授業で法律の表現が難しいと言っていた。
テキストを見せてもらったけど、日本語的にはどれも同じ意味の単語が、法律では全く違う使い方をされるのだと知って、私には法律はだめだーと感じた記憶がある。
テキストを見せてもらったけど、日本語的にはどれも同じ意味の単語が、法律では全く違う使い方をされるのだと知って、私には法律はだめだーと感じた記憶がある。
でも法律自体が嫌いになったわけではない。
難しそうな法律の中にも内容が?なもの、法律自体が面白いものも結構あるからだ。
難しそうな法律の中にも内容が?なもの、法律自体が面白いものも結構あるからだ。
それを紹介しているサイトが「変な法律」。
日本国内の変な法律や条例の条文、判例などを紹介しているサイトだが、
法律に知識がない人でも分かりやすく解説して、突っ込みどころも分かりやすくはっきり教えているから読んでいて楽しい。
暇つぶしできるサイトを探している人にはおすすめである。
日本国内の変な法律や条例の条文、判例などを紹介しているサイトだが、
法律に知識がない人でも分かりやすく解説して、突っ込みどころも分かりやすくはっきり教えているから読んでいて楽しい。
暇つぶしできるサイトを探している人にはおすすめである。
さて、この「変な法律」の中で紹介されているものの一つに
「多良間村ヤシガニ(マクガン)保護条例」という条例がある。
多良間村(たらまそん)は沖縄の村。宮古島と石垣島の間に浮かぶ多良間島と水納島が行政区域で、人口1000人ちょっとの小さな村だ。
豊かな自然が売りのこの村の象徴がヤシガニ(現地ではマクガンというそうだ)。ヤシガニを保護することで、限りある自然を未来に残そうという趣旨で作られたのが、ヤシガニ保護条例だった。
青いサンゴ礁に囲まれた小さくて平たい丸い島。沖縄の離島って感じ。
豊かな自然が売りのこの村の象徴がヤシガニ(現地ではマクガンというそうだ)。ヤシガニを保護することで、限りある自然を未来に残そうという趣旨で作られたのが、ヤシガニ保護条例だった。
ところがこの条例、大きな穴があったのだ。それも「憲法違反」と言われてもおかしくないほどのでかい穴。
日本では三権分立という考え方が取られている。
権力が特定の機関に集中しないように、ルールを決める機関(立法)、決まったルールに沿って政策を実行する機関(行政)、もめごとをルールに沿って審議し、罰を与える機関(司法)と役割が分散されるように作られている。
そしてそれぞれがお互いの分野に干渉しないことが原則になっている。
この条例での「村長が罰を与える」というのは行政のトップの村長が、司法の分野に干渉していることを意味する。これでは憲法違反だと言われてもおかしくない。
そしてそれぞれがお互いの分野に干渉しないことが原則になっている。
この条例での「村長が罰を与える」というのは行政のトップの村長が、司法の分野に干渉していることを意味する。これでは憲法違反だと言われてもおかしくない。
この違憲疑惑の条例はニュースにもなった。
ヤシガニ保護条例に不備/多良間村(宮古毎日新聞2011/11/12)
ニュースと言っても島の中のニュースで全国的なニュースになったわけではないが・・・。
この記事では前述の村長が司法に入り込む条文以外にも、地主の許可無く保護区を定める規定なども問題視されている。この条例、全体的に穴があったようだ。
ヤシガニ保護条例に不備/多良間村(宮古毎日新聞2011/11/12)
ニュースと言っても島の中のニュースで全国的なニュースになったわけではないが・・・。
この記事では前述の村長が司法に入り込む条文以外にも、地主の許可無く保護区を定める規定なども問題視されている。この条例、全体的に穴があったようだ。
この時村側は改正する意向を示していたがその後どうなったのだろうか。
調べてみた。
調べてみた。
まずは村のHPを開いてみる。
自治体のHPには例規集と言って、自治体で決められた条例などをネット上でも閲覧できるところが多い。
しかし、多良間村HPには例規集のページがない。小さい村故、例規集のページを作る予算がなかったのだろうか。
自治体のHPには例規集と言って、自治体で決められた条例などをネット上でも閲覧できるところが多い。
しかし、多良間村HPには例規集のページがない。小さい村故、例規集のページを作る予算がなかったのだろうか。
次にHPで公開されている広報だよりのバックナンバーを一覧してみた。
広報だよりでは、村議会でどんな議案が可決されたかも掲載されている。ヤシガニ条例の改正をするというのなら当然その議案も掲載されているはずだ。
広報だよりでは、村議会でどんな議案が可決されたかも掲載されている。ヤシガニ条例の改正をするというのなら当然その議案も掲載されているはずだ。
すると年月の村議会で条例の条文を改正する議案が可決されていたのを見つけた。
ただ、新しい条文はアップされていないようなので、直接村役場に問い合わせてみた。
役場の方は快くすぐに条例のPDFファイルを送ってくださった。
これが新しい条文。
新しい条文のポイントは以下のとおり。
・村の役割を保護区の設定→ヤシガニ保護のための教育・広報活動に変えたこと。
・村長が罰金を取る解釈にとれる条文から一般的な条文に改定したこと(これで行政が裁判官になる事態はなくなった)。
・ヤシガニ採取ができない期間を「毎年」7月から8月と明確に定めたこと。
これでヤシガニ保護条例は憲法に違反することなく、きちんとした条例として施行されることになったのだった。
きちんとした条文に直されていたことでまともなものに変わってよかったなと思う反面、村長が裁判官になってしまう、おかしなところも見てみたかったような気持ちもある。
新しい条文のポイントは以下のとおり。
・村の役割を保護区の設定→ヤシガニ保護のための教育・広報活動に変えたこと。
・村長が罰金を取る解釈にとれる条文から一般的な条文に改定したこと(これで行政が裁判官になる事態はなくなった)。
・ヤシガニ採取ができない期間を「毎年」7月から8月と明確に定めたこと。
これでヤシガニ保護条例は憲法に違反することなく、きちんとした条例として施行されることになったのだった。
きちんとした条文に直されていたことでまともなものに変わってよかったなと思う反面、村長が裁判官になってしまう、おかしなところも見てみたかったような気持ちもある。
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